大判例

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東京高等裁判所 昭和63年(ラ)521号 決定

(一) 本件競売事件においては、期間入札による売却方法がとられ、昭和六三年六月一〇日から同月一七日までを入札期間とし、同月二四日午前一〇時開札期日、保証金額四五〇万四〇〇〇円(最低売却価額の一〇分の二)と定め、その旨公告された。

(二) 抗告人は、右入札期間内に入札価額を四〇二二万五〇〇〇円とする入札書を執行官に提出するとともに、保証金については、入札締切日である昭和六三年六月一七日住友銀行金沢文庫支店へ払込み委託手続をとったが、右委託金が執行裁判所指定振込口座(横浜銀行本店口座)に受け入れられたのは入札締切後の同月二〇日であったため、執行裁判所は開札期日において抗告人の前記入札を無効として取り扱った。

ことが認められる。

2 民事執行法一八八条で準用する同法六六条は、不動産の買受けの申出をしようとする者は最高裁判所規則の定めるところにより執行裁判所が定めた額及び方法による保証を提供しなければならないものとし、同規則四八条は、期間入札における買受けの申出の保証は執行裁判所の預金口座に一定の額の金銭を振り込んだ旨の金融機関の証明書又は同四〇条一項四号に規定する銀行等の支払保証委託契約書を入札書とともに執行官に提出する方法により提供すべきものと規定している。

そして、右保証金の趣旨は、買受け申出人が売却許可決定により買受人となったにもかかわらず代金の納付をしないとき保証を返還せず(同法八〇条一項後段)、これを売却代金の一部とする(同法八六条一項三号)などの制裁を課することにより買受人の代金不納付の事態を防止しようとするにあるものと解される。

3 入札締切日までに執行裁判所指定口座に現実の入金がなされることを要するかどうかについて明文の規定は存しないけれども、前記のような保証の趣旨に照らすと、入札期間内に単に入札書が提出されるのみならず、その保証金も同期間内に執行裁判所指定口座に入金されることにより同裁判所のこれに対する支配可能な状態が現実化することを要するものと解するのが相当である。

(松岡 牧山 小野)

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